■トラブル・シューティング <Q3>

 <症状> ・・・ Z32のパワーステ系からのオイル漏れを検証いたします。(今回はターボ車です)

 <解答> ・・・ 多くの場所に、ホース類が存在しますが、やっかいな場所にある特定なホースを検証します。
          ターボ車は限られたスペースに多くのパーツが複雑に絡み合っていますが、このホース1本の
          おかげで多くの出費と時間を費やしてしまいます。  
          また、それらとの関連した解説をいたします。
          

写真1 :やや分かり難いかと思いますが、右側にあるパワステの
       リザーバータンクの下にある、リターンホースの冷却パイプ
      のホースです。 直線のパイプなのでオイルの冷却とわかり
      にくいのですが、明らかに前側に回って冷却をしています。
      画像は、中央部のバンドの付いたホースです。
写真2 :ホースからつながるパイプです。
       
      
      
      

写真3 :全体の構成図を添付しました。赤い色のホース&パイプ
      です。 長く前側に出ているのは冷却のためラジエター
      より前下へ出ています。
      この構造が、大変な作業を余儀なくされてしまいます。
写真4 :部分のアップです。
      色(橙)の付いたホースとパイプが一体となったパーツです。
      約6000円ほどのそれほど高価なパーツではありませ
      せんが、作業工賃やその付帯となる作業とパーツが
      別にかかってきます。
      

写真5 :ホースとパイプの全体構成パーツです。
       かなり全長の長いパーツです。単価的には安くできたかと
       思いますが、もう少し考えて欲しかったかと思います。
      
写真6 :ホースとパイプの連結部です。
       この構造が問題なのですが、ちなみにNA車ではホースの
       みの交換が出来ます。(NAでは一体構成ではありません)
       NA車よりは、高圧のオイルラインです。
      

写真7 :インテークのパイプやホースを全部脱着します。
       写真ではもうラジエターも外してあります

写真8 :前側のクーラーコンデンサーや電動ファンなどは、外した
       画像です。エンジンファンの下に映っている白い物は、
       オイルクーラーの本体です

写真9 :その他、この画像はありませんがテンションロッドもブラケット
       ごとAssyで、左右共に外します。左下にやや右側のテンション
       ブラケットが映っています。


       

写真10 :ここでは、漏れたホースを含め全部のパーツを脱着してあります。
       こうして見るとスッキリしていますね。
       インテークのロアーパイプも左右共に外します
       
       
写真11 :シルバーのように映っているパイプが交換したパーツです。
        硬質のパイプラインで曲げて入れられるようなパーツではありま
        せんが、何かの機会があれば交換しておきたいパーツです
       

写真12 :こうした作業で、付帯作業として小さく見られがちなのが、他の
        パーツや劣化による交換を必要とするパーツです。
       
写真13 :青の色のホースは、同時に交換をお勧めします。
        今はオイルの漏れが無くても、同じ使用条件で長年使用してきた
        ので、交換するべし。
       

写真14 :これらは、同時に外さなくてはならないホースです。
       ゴム製のホースは柔軟性を失い硬化してしまっています
       今まで、オイルが漏れたホースから圧力が逃げていましたが、漏れ
       たホースが新しくなったことで、その圧力が他の劣化したホースから
       確実に漏れてきます。
       
写真15 :比較する新品が映っていませんが、こうしたホースバンドの跡は、
        もう弾力を失っています。内側にはひびが入っています。
       

写真16 :ここでの作業で隠れた高価な費用を要するのが、クーラーの
       真空引きとガス入れ。R-12のフロンガスです。
       いまこのフロンガスは1本約¥5000円ほどですが、3〜4本
       を必要とします。

       抜いたガスを再使用するリサイクル型の交換方法もありますが、
       水分や小さなゴミなどがまだ完全に除去できないので、二次的
       故障を招かないためにも新品をお勧めいたします。
       
写真17 :パワーステのオイル。LLC(冷却水)。クーラーガスなど入れ
       点検をして終了する。
       また、 他の交換していないホースもあるので、暫くはパワステ
       オイルが減っていないか点検をおこたらないように・・。

       その他*クーラー0リングは交換すること。またターボのパイプは
            確実に締めつけをしておくことなど、本来の作業と違うところ
            にも重要な作業が多くかかわっていました。