トラブル・シューティング <Q12> DATSUN FREEWAY 

                     ・・・・・ Parts 1 ・・・・・・


 <症状> ・・・ Z31(300ZX)のフロントガラス周辺に見られたサビの発生を修理・塗装
          しました。 実状を検証して、原因の解析と対処法を検討してみましょう。

          検体は北米仕様・50th Turbo・2シーター・5速車、です。

 <解説> ・・・ 前期モデルのS130Z(280ZX)より、Frガラスモールや構造がやや進化
          した設計になっていますが、基本的仕組みは同じです。

          特徴はモールが細くなり、内部への異物の堆積が無いような、工夫をして
          います。 基本的設計は同じ手法の継続です。

          


Z31 カウルトップの錆び 写真1 : 画像は、カウルトップと呼ばれる、フロントガラスの下側の部分
      です。 ワイパーのアームが有るパネルの名称です。
      (作業のため、ボンネットは脱着してあります。)  

      ワイパーのアームや、メッシュのダクト(外気の取り入れ)を外し
      ています。 その周辺に、サビが発生して、金属部分を腐食さ
      せているのが判ります。
      
      しかも、カウルトップ内部(ワイパーのリンクアームが収納)まで
      もが、浸食されて腐食が進行していました。
      (画像では、未だワイパーアームが付いています。)
Z31 カウルトップの錆び     Z31 カウルトップの錆び Z31 カウルトップの錆び

Z31 カウルトップの錆び 写真2 : 作業上、フロントガラス・ボンネットと左右ヒンジ・ワイパーモー
       ター・リンクアームAssy・配線など、脱着しました。

       ボンネット左右のヒンジの裏側も、こんな感じです。
       腐食の進行は、ガン細胞が広がるように周囲に転移してしま
       います。

       早期の発見、早期の治療が有効な対応と成ります。   

写真3 : それでは、腐食の酷い部位の検証して、切開・切除の手順を
       鈑金担当が施工をいたします。

       部位の切除は、電気メス・・・いや、エアーソー(ノコ)で切断
       いたします。 この部位は内側に骨格が有り、ここも浸食され
       ているので、取り除きました。

       骨格の部位は、切断の前に事前に移植用の鉄板を加工して、
       合わせておきます。 この2枚の鉄板は、スポット溶接されて
       いました。


フェアレディZ 専門店 写真4 : 切除した部位を取り除くと、内部のサビの進行状態がさら
       に目視確認できます。

       新しい鉄板は、亜鉛メッキしたボンデ板を採用しています。
       白っぽく写っているのは、亜鉛メッキのせいです。

       部位により、0.6mmから0.8mmのボンデ板を使用いたしま
       す。  何度も形状を確認しながら、移植の手順を決めてい
       ます。

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フェアレディZ 専門店 写真5 : この開口した状態から、周辺に広がったサビをできる限り
       ベルトサンダーや、サンドペーパーなどで、除去します。

       どこまで取り除けるかで、今後の再発を防ぎ、浸食を止め
       ることが出来るか、難しい選択をしなくては成りません。
       
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フェアレディZ 専門店 写真6 : 腐食していた車体の鉄板部に、米国製POR-15(銀色)を
       塗布いたします。 数回に塗り分けることで、鉄板と同等な
       強度も組成いたします。
       
       画像では容易に進行しているようですが、洗浄や脱脂など
       手間のかかる作業をしています。

       また、この薬剤・POR-15は硬化に6時間以上かかり、数日
       に分けて作業・施工をしています。

       後半では、最初の骨格を接合(溶接)しています。
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写真7 : 上面の移植用鉄板の接合をいたします。
       下部の骨格と、スポット溶接をされていたので、その位置を確
       認しています。

       ティグ溶接、サンディング、洗浄・脱脂、パテにて成形を整えて
       ようやく塗装の下地となる、プライマーサフェーサーを養生して
       から、塗布いたします

       

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写真8 : マスキングを施工してから、2液タイプのプライマーサフェーサー
       を塗布した後の画像です。

       しかし、ここまでは未だカウルトップの左側半分で、この部位が
       お客さまから、要請を受けたサビの修理でした。

       しかしながら、予想以上に腐食が広範囲に広がっていたので、
       未だこの後の作業・サビの除去が続きます。

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