トラブル・シューティング <Q12> DATSUN FREEWAY 

                     ・・・・・ Parts 2 ・・・・・・


 <解説> ・・・ 後半は、カウルトップの塗装やガラスモールへのサビの転移など、周辺に
          広がったサビの除去や実状をお知らせいたします。

          


Z31 カウルトップの錆び 写真9 : 画像は、カウルトップの右側部分の部分です。
      ワイパーのピポッド穴が見えますが、中央の部分です。  

      鉄板の切り接ぎ作業は、しないで済むようなサビの範囲だった
      ので、POR-15などのケミカル剤で腐食の処理を施工します。

Z31 カウルトップの錆び Z31 カウルトップの錆び Z31 カウルトップの錆び

Z31 カウルトップ 錆び 写真10 : カウルトップの内部の状態をミラーガラスなので、目視確認を
       しています。

       サビの除去には、ベルトサンダーやサンドブラストなどを使用
       して、地道に極力取り除きます。

       こうした見えない作業を、お客さまにご理解いただくためにも、
       このように画像に残し、CDやメモリーでお渡ししています。   
Z31 カウルトップ 錆び
Z31 カウルトップ 錆び Z31 カウルトップ 錆び

Z31 カウルトップ 錆び

写真11 : 洗浄後、周囲を養生(マスキング)して、POR-15を塗布して
       いきます。 長い筆を使い奥深く塗り込んでいます。

       このケミカル剤の良いところは、サビは少々残っていても大丈
       夫なことです。 サビも同時に強度となるように、樹脂で包み
       込みます。(外気から遮断をする)

Z31 カウルトップ 錆び
Z31 カウルトップ 錆び
Z31 カウルトップ 錆び

Z31 カウルトップ 腐食

写真12 : POR-15は、完全硬化する前ごろに、塗装をいたします。
       色合いは、電着カチオン塗装色を調色して塗装しました。

       本来、ここは雨水などが流れる通路なので、どうしてもサビ
       は発生しやすい場所です。

       排水は左右に排出口が有り、フェンダーの内側に出るよう
       になっています。 水路も、排出口も大きな構造物なので、
       容易に詰まることは有りませんが、定期的に目視した方が
       イイかもしれません。


Z31 カウルトップ 腐食 Z31 カウルトップ 腐食 Z31 カウルトップ 腐食

Z31 フェアレディZ 専門店 写真13 : カウルトップの周辺養生(マスキング)を施しています。
       塗装ブース内とは言え、ほぼ車体全体をカバーいたします。

       ブラック光沢の塗装を施工いたしました。
       カウルトップの内部には、防錆び剤を塗布いたします。
       
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Z31 フェアレディZ 専門店 写真14 : この後ですが、実はある事実が発生しました!

       カウルトップの塗装が終了して、フロントガラスをはめ込もう
       と思っていました。
       
       ガラスの周辺には、ファスナーモールと呼ばれる樹脂モール
       が両面テープで貼り巡らされています。

       傷みが無かったので、そのまま再使用を考えていましたが、
       上面の両角のコーナー部が劣化で痩せ、収縮するので、新
       品に交換することにしました。

       そのファスナーを外してみたら、サビが点在していました。
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写真15 : この後ですが、ファスナーモールと塗装面が微妙に隣接して
       いる部分なので、慎重にサビの発生している部位をサンディン
       グいたしました。

       施工は、同じくPOR-15を塗布いたしました。 このケミカル剤
       には、ブラック色やシルバー色があるので用途に応じて着色を
       選択しています

       (日程が延びてしまった為、現場が忙しく画像が有りません)
       


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写真16 : 一部塗装もしたので、日程が2日ほど延びてしまいました。
       ファスナーモール(ブラックとグレイが有り)を交換いたします。

       コーナー部位の張りに余裕を持たせて貼るのが、ちょっとした
       コツです。(グレイのファスナーは製廃です。)

       ガラスの施工は、専門業者さまへ依頼いたしています。
       このあとには、ワイパーモーターやアームリンクなど、固定の
       ナットを新品に交換して、作動確認いたしました。

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写真17 : まだ作業は続きます。
       ファスナーモールにはめ込む黒いステンレス製モールは、よく
       色が剥がれていますが、過去に弊社で施工していたためか、
       問題無く、良い状態でした。

       しかし、下側のカウルトップに掛かっていた部分のワイドモール
       は、サビが転移していて使用が出来ませんでした。

       旧塗膜の剥離や下処理など未だ塗装の作業は続きます。


フェアレディZ 専門店 写真18 : モールの表面は綺麗に見えますが、裏側は賛嘆たる状態で
       した。 サビの転移とは恐ろしいものです。

       色の剥離には、スケルトン剤を使用いたします。強酸性の薬品
       なのでその使用方法には、注意が必要です。

       剥離後は、何度も洗浄してステンレスの表面はブラスト加工を
       いたします。もちろん脱脂もいたします。

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フェアレディZ 専門店 写真19 : ステンレスモールの表面に、専用の密着剤を塗装してから、
       ブラック光沢塗装をいたしました。

       平行にて、ボンネットヒンジの裏側のサビも、除去してからプラ
       イマー塗装・カラー塗装をいたしました。

       こうした見えない作業を手を抜くことなく、正確に着実に施工を
       もっとも良い方法で正直にいたします。

       小型のスポット遠赤外線ヒーターにて、強制乾燥もしています。

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写真20 : ロアーモールも取り付けて、ここの作業をほぼ完了します。

       今回の作業はこの後、車検の準備をいたしました。

       ガラスの交換が必要な時は、万が一を考えて当日での交換で

       は無く、2〜3日の作業余裕をみてください。

                                (平成29年2月記)

      

      ・・・・・ Parts 2 END・・・・・・

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