トラブル・シューティング <Q14> DATSUN FREEWAY 

                     ・・・・・ Parts 1 ・・・・・・


 <症状> ・・・ Z32(300ZX)のフロントガラスの破損による、交換作業中に発生した
          案件です。 サビの発生をモール下側に発見しました。

          交換作業を中断して、その処理の為2日ほどの施工・塗装などの追加
          工程をいたしました。

          検体は、平成5年登録車です。 TwinTurbo・4シーター・5速車です。


 <解説> ・・・ 歴代のZ達は、それぞれの部位で構造の変化・進歩は見られます。
          フロントガラスの設計基本構造が、変わって来ています。

          これまでのステンレス製モールから、樹脂製モールに変わりました。
          トラブル・シューティング「Q11・Q12・Q13」の遍歴を見てみてください。


Z32 ガラスの錆び 写真1 : フロントガラスの中央の部分に、石飛による割れが生じました。
      この車体専用の日産純正ガラスは、約8万円ほどいたします。
      (ブロンズガラスの青ぼかし付き。)  

      本来、ガラスの交換作業は、交換用のガラスを発注してから、
      現物の新品ガラスが届いた後、当日中(約2時間)に脱着をして
      交換作業を完了します。

      完了後は、約6時間ほどウレタン樹脂の硬化を待ちます。
      (この間、移動は禁物です、窓は開けておきます。)
Z32 ガラスの錆び     Z32 ガラスの錆び Z32 ガラスの錆び

Z32 ガラスのトラブル

写真2 : 今回は、純正のガラスでは無く、UVカットや断熱機能付きの
       ガラス(社外品)を注文いたしました。

       Z32の最終型には、メーカー純正にてUVカットガラス(車両
       の全部)の設定が有りました。
       1〜2度ほど、この全部を交換したことが有りますが、約40
       万円ほどいたしました。

       当時UVカットのガラスは、一部受注品で約2ヶ月ほど待った
       覚えが有ります。(2010年11月8日のブログに記載有り)

       今回は社外品ですが、約1ヶ月ほど入荷を待ちました。
       (画像は最終型に使用されていた、"UV"のシールです。)


Z32 ガラスのトラブル

写真3 : ガラスの上側の樹脂モールは再使用いたしません。 表面の
       劣化や硬化もしているためです。

       この時、両サイド(左右)のピーラーモール(樹脂製)は、状態
       によって再使用が可能ならば、交換しなくてもOKです。
       (Z32のモール構成は、ここを参考に見てください→Q5

       これらの表面モールを支えているのが、ファスナーと呼ばれる
       半透明の樹脂モールです。 再使用も可能なのですが、今回
       は総てを交換するので、取り外しました、・・・サビが・・・!

Z32 ガラスのトラブル
Z32 ガラスのトラブル
Z32 ガラスのトラブル

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写真4 : 下側のカウルトップも、ガラスの脱着には外します。(2分割)

       その時、下側の車体部には問題有りませんでしたが、やはり
       ダストや水分が溜まりやすい下側なので、別の問題が見つか
       りました。

       ワイパーモーターのピポット(軸)の固定ナットに、サビが発生
       していました。 ここはいつでも交換は可能ですが、モールの
       周囲は今しか施工処理が出来ません。

       ピポットの固定パネル部には、水抜きの排出口は有りますが
       長年の土砂などで詰まっていました。

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写真5 : つまりこうした状況なので、交換作業を中断いたしました。
       納車の期日を延ばし、変更をお客さまへお知らせいたしました。

       失礼ながらこうした状況の即日対応は、ディーラーさまやガラス
       専門の施工工場では、出来ないと思います。

       フェアレディZ専門店で有り、整備・鈑金塗装工場を自社で併設
       して持ち、専門店としての責任とこだわりを持った、スタッフ集団
       だからこそ出来る対応と、自負してみました。
       

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Z32 フェアレディZ専門店 写真6 : モールの周辺を洗浄クリーニングしています。
       画像では、もう残業の時間帯になっているのが判りますか。
       
       周辺の養生、剥離や洗浄や脱脂などを何度もしています。
       ここに、米国製の防サビ対策ケミカル剤・POR-15を塗布いたし
       ます。(シルバー色を採用)

       この薬剤・POR-15は硬化に6時間以上かかり、数日に分けて
       作業・施工をすることも有ります。
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写真7 : サビたナットは、同系に6mm新品ナットに交換しました。
       周辺の土砂などの異物は取り除きましたが、ここは定期的に
       開けて、状況を目視確認をした方がようでしょう。

       次回の機会には、ステンレス製のナットに交換をしたいと思い
       、早速に購入の手続きをいたしました。

       


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写真8 : 樹脂モールの固定には、3種類のプラスティック・クリップを使用
       いたします。

       これらのクリップも交換して、新しいガラスを専用のウレタンシー
       ル剤にて圧着し、化粧モールにて周囲を固定します。

       以上にて、交換作業を終了いたしました。

       今回の歴代Z・3種の中で、特にZ31とZ32に関して目視での
       検証からは、過去のガラス脱着時に歯の鋭いカッターを使用した
       形跡が有りました。

       カッターの鋭利な歯先で塗膜をキズ付け、ちゃんとした塗膜処理
       をしなかった事が、サビの進行を許してしまったかと思います。
                             

                       (平成29年2月記:Hiro)

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