トラブル・シューティング <Q15−1> DATSUN FREEWAY 

                     ・・・・・ Parts 1 ・・・・・・


 <作業> ・・・ Z32(300ZX)のタイミング・ベルト交換です。
          今回の案件は、ベルト交換が2回目のターボ車両です。

          走行距離は、16万kmです。 これまで弊社にて車検・整備など施工
          してきましたが、一回目のタイベル交換は、日産ディーラーで整備をし
          ていました。 ワンオーナー車です。

          平成5年登録車です。 TwinTurbo・4シーター・5速車です。


 <解説> ・・・ 今回、お客さまが交換に必要なパーツの一部を持ち込みとなりました。
          不足のパーツや、再使用が出来ない(又は好ましくない)パーツは交換
          の了解を得ておきました。

          社外品のパーツ構成となります、ほぼ問題は有りませんが、パーツの
          異常発生の場合、保証は得られません。(自己責任)


写真1 : まずは、専用の車体カバー(Z32用)で、フェンダー。バンパー
      などの、塗装面を養生いたします。

      この車体カバーの裏面は起毛(フェルト)になっています。
      (弊社にはこうした専用車体カバーが数台分準備してあります。)  

      リフトを使用しなくても、作業は可能ですがラジエターを外すので
      クーラント液を抜きますし、クランクプーリーも脱着するので。
Z32 タイミング・ベルト交換(2回目)    

写真2 : サビ色のような赤茶色のシーラント(液体ガスケット)は、日産
       指定の液体ガスケットです。 エンジン組み立て時に使用され
       いるのは、黒い液体ガスケットです。

       当初は、当社も日産指定品を使用していましたが、どうもこの
       赤茶色が好きになれず、渡米時にロックタイト製シーラーを、
       購入しています。 
       しかもこの画像では、使用指定では無いヶ所にも使用して!

       当時、全部のパーツは交換しいないような・・。
       エンジン側など、付着のガスケットはすべて除去いたします。

Z32 タイミング・ベルト交換(2回目)

写真3 : ここの画像が、タイミングベルトの張りを保持・調整をしている
       大切な部品です。 テンショナーAssyです。

       部品番号は、13070-45V04(\30000)で、一番高額な部品。
       テンションを架ける部分は、重要なパーツなので10万km
       以上の保持は無理と推測いたします。

       事実、部位からは内部のオイル漏れが確認出来ています。
       過去に某Shopでの整備で、異音が出ていたZ32では、この
       パーツAssy交換後には、異音は解消いたしました。

Z32 タイミング・ベルト交換(2回目)

写真4 : タイミングベルト(以下ベルト)の張りを支える回転ローラーは
       3個有ります。 1個はテンショナーに構成されています。

       その他の2個は、中央とテンショナーの対角側に有ります。
       この3個の回転ローラーは、社外品で入手可能です。
       純正品と、ほぼ同等同格品と思われます。

       高回転のベアリング・ローラーです。 絶対に新品に交換して
       下さい。 1個は、約¥5000ほどです。
(純正品の価格)

Z32 タイミング・ベルト交換(2回目)

写真5 : こちらは、社外品のウォーターポンプです。
       お客さまが、お持ちになりました。

       純正品の番号は、21010-22P25(¥14700)ほどです。
       たぶん性能は、同格品と思います。

       日産の純正品、ウォーターポンプには、オフセット(前へ張り出し)
       に、年式により10mm異なるVGエンジンが有るので、注意です。

       当然ですが、ここも当然ですが、絶対に新品に交換してください。  

Z32 タイミング・ベルト交換(2回目)
       

写真6 : ラジエター液のサーモスタットです。  通常の純正品ですが、
       エンジンのチューニングなどの車両には、nismo製品の設定
       温度の低いサーモスタットを推奨いたします。
       
       このパーツも、たぶん社外品が有るかと思います。
       元々、高額なパーツではありませんが、固着なども問題も有り
       信頼性の高い製品を使用される方が良いでしょう。

       2個のパイプは、毎回腐食が激しく、純正交換しか有りません。
       ¥1500ほどの製品ですが、ステンレス製にして欲しいです。
Z32 タイミング・ベルト交換(2回目)


写真7 : クランクシャフトの前側オイルシールです。

       ここのオイルシールも交換を推奨していますが、時としてここの
       カムギアーが、シャフトに固着しています。

       形状的にギアプーリーが入らず、脱着不可の場合が有ります
       が、過去にギアーを破壊して外したことが数件ありました。

       今回は通常に脱着出来ましたが、ここの作業は別費用です。


写真8 :  ちょっと、私が驚いたのは、タイミングベルトに社外品が有った
       ことです。 ・・・ いくら違うんだろう?

       個人的には、約1万円ほどのパーツなので、重要なリスクを考え
       ると、メーカー純正指定品を使用したいと思います。

       時々聞かれるのが、純正部品と社外部品の違い!

       一概には言えませんが、もし同じメーカーが生産・納品をしている
       部品だった場合、メーカー納品の方が、精度基準が厳しいと思い
       ます。 全くの社外品は、精度や耐久基準が判らないので、不明
       としか、回答出来ません。
 製品のバラツキは??

Z32 タイミング・ベルト交換(2回目)

写真9 :  写真画像の『写真8』では、ベルトの指定マークを写しています。
       詳細は、サービスマニアルを参照してください。

       日本では、一般的にメーカーのサービスマニアルの購入は、個人
       では出来ません。 (米国は法律で一般販売が義務付け。)

       今回の推奨は、お客さまが持ち込まれたNGK製のプラグ交換。
       とても良いと思いました。 ベルト交換とは、別作業なので、工賃
       費用は追加になりますが、 同じ頃の推奨交換パーツです。

       「Part 2」では、その他のパーツ交換を推奨しています。