■修理車両・・・平成7年.Z32.4シーター日本仕様ターボ 走行約12万km
■作業内容・・・板金(大小有り)・モール類の全部交換・バンパー・ボンネットなど中古
          パーツを使用して節約。フロントガラスも社外品を採用。
         エンジン不調を点検・コンサルチャック(日産デイラーにて)・電装の修理。
         中古純正ホイールに交換、色替えの全塗装、etc・・・。(平成19年10月の作業)
  当時の純正の状態に近づけることを、主たる目的として車体を復元してイメージを変えてみました。


(1) Z32平成7年車 ターボエンジン・車体色はストレートのブラック。
   ご来店時は、リアーのフェンダー左右に板金のヶ所有り。
   塗装は全体にシミのような斑点があり、左右のドアーにも
   大小の凸凹が多く点在していました。
(2) 左側のコーナー部です。
   結構ここは堅い・・。
  その後、約2ヶ月後に入庫。
  板金が増えてる??
  

(3)車両は事前にコンピーターを日産コンサルにて、チェックをします。約4000〜5000円位。
  診断では、ノックセンサーと4番プラグの不着火など有り。 ノックセンサーは、接続カプラーの端子不良・交換。
  また、4番のプラグ不着火もダイレクトコイルには問題無く(他と入れ替えテストをすれば判る)、同じように端子
  の洗浄とカプラーの交換などした。 ちなみに、現在の走行距離は、約12万kmでした。
 

(4) 各車体部分のダメージヶ所を点検します。板金の費用を見積もります。この車両の場合、フロントフェンダー
   前下部や、左右のサイドシェルにも大きな板金ヶ所がありました。
   その他、通常の交換パーツ代や、別途交換の必要なパーツなども見積もりいたします。
   過去の板金ヶ所なども、場合によっては再修理となることもあります。

(5) 今回の車両は、枯れ葉くずなど多くの部分に隠れていました。 洗浄などいたします。

(6)・・・・少々、画像を割愛・縮小してアップ作業を優先いたしました。
 デントでの板金修理や、フロントバンパーやボンネットは、中古パーツを使用しました。
 画像には無いのですが、両サイドのサイドシェルも大きな凹みがあり、板金しました。
 車両の塗装は、駐車場にあった樹木から落ちる樹液で、シミや色の変色が見受けられました。


(7) 画像のようにボンネットの裏側の塗装をしておきます。
  また、リアゲートは外して塗装作業を基本としています。もちろん理由はあります。
  ガラスは総て外してあります。この車両は色替えなのですが、ドアーのハーネス類やキャッチヤー類も外します。
  こうした部分に塗装色が入っている修理・塗装の車両を時々見受けますが、良い作業とは思っていません。
  当然、リアゲートの配線や、ワイパーモーターなども外しています。

(8)下回りは、板金作業をしたので、表面の凹凸(アンダーコート)を施します。ここの素材には、ドイツ製の
  水性アンダーコートを使用いたします。これがベストです。
  塗装前の下処理は、重要な作業です。別のページでも述べていますが、後の完成度や経年の保持
  状態にも影響します。
  その他、紙貼り(マスキング)も重要な作業の一つです。たぶん、他社の2倍以上の作業時間と専用の
  マスキングペーパーやテープを大量に使用・消化しています。
  このマスキングペーパーは、表面にポリエチレン加工をしてあります。厳選した最高級品です。
  

(9) 塗料の選択も重要な要素です。当社では、2種類の塗料を使い分けしています。
  A社製は、主に日産車への納品・使用されているメーカー製で、日産車の約70%以上に採用されています。
  理由は、色の調色・データーが正確で合わせやすいことや、メーカー技術部からのバックアップなどです。
  新型GT-Rの特殊色のシルバーもこのメーカー製品・塗料です。
  もう1種類も、実は同じA社の製品です。やや古い製品なのですが、発色や古い当時の質感はこれでなくては
  微妙な再現が出来なので、状況・要請などに応じて使用しています。
  
  パーツの分解にもこだわります。出来るだけ正確な塗装再現のためには、細かく分解をいたします。
  殆ど手間作業となりますが、こうしたこだわりと忠実さが、完成時の評価に繋がります。

  


(10) 最小までの分解が良い塗装状態を構築できます。面倒な手間作業と、時間を要しますが、
  こだわりでしょうか。 
  パーツは分解後に、洗浄(クリーニング)・脱脂・マスキング・ジグ固定・・塗装後の再組み付け
  などと、面倒な作業に時間を費やしますが、自社の仕上がりにこだわり続ける限り、これらの
  作業工程を換えることはないでしょう。

(11)装備品の分解は、大型パーツでも同じことですが、パーツへの熟度・認識も重要なことです。
  どうしたら外せるのか、パーツを破損してからでは遅いのです。年式の劣化もありますが、説明
  責任など、事前の打ち合わせをしっかりいたしましょう。

(12)基本的に作業・塗装・エンジンチューン・板金修正など、当社内で総ての作業をいたしますが、
  一部の専門職は、外部からの熟練工さまへ依頼しています。

  自動車ガラスの交換や、デントリペアーなどや、自動車電装会社など含みます。

  上記の画像では、Z32のサイドガラスは新品で交換しています。劣化した下側のモール交換
  などありますが、位置決めのピンが破損してしまうため、新品交換としました。
  以前、試験的に再使用してみましたが、あまり芳しくなかったのでね。
  ちなみに、フロントガラスは新品ですが、予算の都合で社外品を採用しました。


(13)その他の細部を補修します。上の画像は、リアーフェンダーの内側ですが、タイヤからの石飛び
  などで、内側のアンダーコートや塗装塗膜が剥がれ、錆が発生していましたので、コートを掛け
  防錆塗装を施しています。
  また、サイドシェルの耳の部分は、マットブラックで筆塗り(当時の組み立てラインでは、パートの
  おばさんが刷毛で塗っていた)したが、マスキングをして美しく仕上げました。

  故障したアンテナは、中古で交換。また、色焼けとホイールの周囲がガリガリに傷付いた、オリジナル
  ホイールも、新品中古の同じ純正ホイールに交換した。
  ガラス周囲のモールやカウルトップも新品交換したので、車体の色と合わせ新車に近い状態を再現
  することが出来た。

(完成と費用) 今回の総費用額は、約120万円(税込み)でした。 完成画像も夕方の納車時だったので
         しっかりとは撮影していませんでした。 ここでの紹介に使用する予定は無かったのでね。
         いずれ後で再撮影をしてアップいたします。 車両は、東京練馬区のAさまでした。

      全塗装の基本費用は、60万円です。色替え加算5万円。
     (前後バンパーの脱着・分解、ドアミラーやハンドルの脱着・分解、テールランプの脱着、
      リアゲートの脱着・分解、ボンネットの脱着、Tーバールーフの分解、エアクリーナーなど
      フェンダー脱着、スポイラー脱着、その他有り、材料費、小傷や凹み修理、これらの作業
      工賃も、全塗装費用に入っていますので、実質の全塗装費用は、35万円位です。)

     中古バンパーが、2万円。新古ホイール、5万円。

     中古のボンネットが、2万5千
円。 中古のドアミラーが6千円。
     社外製のフロントガラスは、5万5千円。両サイドガラスは、44200円(左右で)。
     モール類一式やカウルトップ・ストライプなどの部品代が、約75000円。
     板金・デントリペアーなど車体の修理費用が、約15万円。
     エンジンの点検・修理費用が、約3万5千円などでした。(平成19年10月の作業)

  作業画像の工賃など、日頃から良くお問い合わせをいただきます。参考になりましたでしょうか。
  こうした作業画像は、創業以来からずっと続けていました。以前はプリントでしたが、現在はCD
  へ焼き付けしてお渡ししています。各自が1台ずつカメラを保有しています。
                                             (2008年3月Hiro記)