■修理車両・・・昭和58年.S130.4シーター日本仕様ターボ 走行約8万km     

■作業内容・・・ 前側の右側を、大きく大破し、同時に右リアーフェンダーも中破損
          をしてしまった。 レストアとの平行作業をすることになりました。
           
         ・・・ その1の続き・レストア編・車体の塗装 ・・・   (平成23年〜平成25年頃の作業記録)

                         
■ ■ その2 ■ ■  (記載令和元年11月記)
     


(15) 事故のリアー右側を、仕上げの工程・鈑金後は、わずかな凸凹をパテで修正しています。 内側からの
   鈑金・歪み取りが出来ないので、これ以上の修正には、ポリパテに頼らざる得ません。

  サフェーサーですが、正式にはプライーマー・サフェーサーと呼びます。 略してプラサスと呼びますが、
  近年では、総称してサフェーサーで簡略化していますね。 2K化された、高性能サフェーサーです。
  サフェーサーを塗布して、完了します。
  


(16) 右リアーフェンダーから続く、右ロッカーパネル(サイドシェル部)の腐食部のパネルを切開しました。

  画像にも有るように、インナーのパネルも腐食・サビを発生しています。
  カットしたパネルを見てみると、見えていた表側よりも内側の方が、多くサビを見られます。

(17)  右側のドアーは、過去の修理歴は有りましたが、大きな修理では無かったようなので、追加のパテでの
   形成とならしで、サフェーサー塗布しました。

   むしろ、左のドアーの修理(過去の)の方が、大変でした。

(18) リアーのテールランプ部の左側です

  鈑金修理の順序は、やや異なりますが、左側のリアーフェンダーと、同時進行で鈑金いたしました。
  画像はやや割愛していますが、要領は右側で紹介した工法で、同じです。


(19) 大変だった、左側のドアーの再鈑金、修理です。
  
  車体へのサフェーサー作業は、一度では有りません、再度の確認をしながら、再パテ・再サフェーサーの
  工程を何度も繰り返して、表面の精度を上げています。
 


     

(20) 左右のフロントフェンダーと、ボンネット(Hood)は、カーボン製品を採用しました。

  日本製のカーボン製品です。 海外製品に比べ、肉厚が薄く、軽量なのが特徴ですね。
  その精度ですが、海外製品より大凡、優秀です。
別のメーカー製のFRP製品より、良いと思いました。
  
  カーボン製品を選んだのは、お客さまですが、価格が安いのと、サビ無い製品の特徴でしょうか。


(21) 後半になってから、フロントガラスを外しました。
  
  ガラスの裏側のモール位置に、深い腐食が、多く発生していました。
  これら、ガラスの周囲に、サビが発生しているのは、総てのS130系のZに、共通いたします。

  理由に付いては、修理のQ&Aで解説しています。そちらご覧ください。

  ガラスの周囲は、数枚の鉄板で補強されているので、表面のサビを除去してから、POR−15を塗布し
  てから、ウレタンシーラー(ドイツ製)で、純正と同じように、シールドいたします。


(22)  その他、ドアーやフェンダーなどの内側も、腐食止めの処理をいたします。

  この車両の生産当時よりも、格段に高性能な、下処理材や、防錆剤が進化していますので、最新情報で
  素材を入手して、施工をしています。

  一部、アップしている画像や施工の順序は異なりますが、ご容赦ください。


(23) 車両を塗装ブースに入れて、車体の塗装をいたします。

  季節にもよりますが、冬場などは車体を20〜22度ぐらいに暖めてから、塗装の作業に入ります。 
  ここのブース内は、空調設備が有るので、夏場は冷却が可能ですが、それでも真夏の日中には、
  車両の全塗装はいたしません。 

  サフェーサーは、2液タイプのウレタン塗料を使用しています。

(24) ようやく、シルバー(#  )の塗装作業に入ります。

  色や車体の状況によりますが、今回はリアーゲートやフェンダーなど、別(分離)塗装いたします。
  塗料メーカーで使用されている、メーカー製です。 2Kのウレタン塗料です。

  Zのリアゲートは、分離塗装が理想的ですが、出来ない場合は、脱着して接合部(可動部)の塗装
  をしておくと、よいでしょう。

(25) 各分離している、バラバラのパーツを塗装しています。

  中古のパーツや、位置が未だ不確定な部位など、調整しながら塗装をしています。
  カーボンパーツには、UVコートのクリアーを塗装しています。

  2wayの塗装をするので、色分けのラインを確認いたしました。


(26) カーボン製、ボンネットは日本製品です。

  ボンネットの裏側の骨格は、FRP製品なので、白い色をしています。
  FRPの樹脂は、紫外線などで劣化が進むので、UVカットの効果がある、クリアー塗装を施工します。

  ウレタン製のバンパーは、露出したままの素材部分が劣化しているので、一度全体を専用の柔軟性が
  あるサフェーサーを塗布します。

  その後、車体色を塗装してから、艶消しのブラック(素材に似た色)を塗装しています。
  フェンダー内のアンダーカバーを交換しましたが、もう現在は製廃になっています。
  

(27) 2wayの塗装を、位置決めから、マスキングをいたしました。

   ターボ車だけの、2way・マンハッタンカラーと呼ばれる、塗り分けです。
   日本仕様の、L20エンジンのターボ車には、赤や白の車体カラーも有りますが、このシルバー&
   ブラックの、通称・逆マンハッタンと呼ばれる、塗り分けです。  

   この車体は、4シーター車ですが、2シーター車や、T−バールーフ車では、一部の塗り分け方法
   が異なります。 (今後、2シーター・ターボ車・T−バールーフ車のレストアを予定しています)


Parts3,お待ちください。