修理車両・・・1983年 北米仕様 ターボ 4シーター A/T車
作業内容・・・レストア 車体の色替え ダッシュボードの交換 エアコンの交換など

(1) 修理前に各部の写真を撮っておく。修理ヶ所のマーキングや、ドアなどの立て付けなどの、現在の状態を確認しておく。旧車などでは、絶対忘れてはならない作業。前方向では、ボンネットは交換する。後期のボンネットは、ほぼ前側が錆びている。これは、水抜けが悪いため。

(2) 後部では、コーナー部などで錆びの発生が見られる。不具合のあるヶ所は、分解前に対処を決めておく。また、外したパーツは保管・管理を慎重に行い、交換の必要なパーツは、早めにオーダーをする。この年式は、製廃が多く必要に応じて、米国など保管量の多い地域への発注もする。


(3) こうしたコーナー部など、排水の悪いとことは錆びが発止している。

(4) こうしたバンパーなどの内側などは、錆びが多く発生している。普段見えにくい所なので、日々進行しているのを見過ごしてしまう。まっ、年式もあるけれでね。


(5) 右側のドアは、錆びがひどく交換となった。当然、北米仕様のドアーを使用する。内側には、側面衝突ようにレインホースが入っている。また、左側は、この際ヒンジを交換する。ガタがやや有るため。

(6) フロアーに大きなダメージや破損は無かったが、錆びこうして発生している。日本仕様よりは、防錆処置はされているけど、日本での湿気にはかなわないようだ。

(7) このサイドモールは、北米仕様車の定番でしたね。隣の車のドアーからキズを付けられないようにと、よく見かけましたが今ではまったく見なくなりました。貴重なアイテムですね。大切にしましょう・・。

(8) これは4シーターなので開閉式ですが、水漏れはありません。モールがブラックなのがわかりますか?北米車と欧州車の一部にしかありません。 (9) こうしたモールの内側には、泥などが溜まっている。後は錆びが出来て、穴が開いて水が漏れてきます・・・。

(10) 隠れたヶ所にあった腐食は、どうしてもこうして総ての外装品を外して、点検するしかない。レストアは大変な仕事だが、それをやれる技術と知識のある工場が少ないのも事実である。

(11) フロントスカートパネルなどは、ほとんどが傷みを持っている。下回りは、アンダーコート処理してあるので同規格の材料にて、板金後、防錆処理をする。この頃は、第一次オイルショックがあり省燃費が唄われるになった。このため、軽量化を即して鉄板やガラスなど薄くなり、またこの時の防喰下地の塗装に欠陥があり、多くに車両に短期で錆びが発生した経緯がある。

(12) こうしてフェンダーなど外装品を外すと、なかの状態が見えてくる。鉄板のエッジ部や、水抜けの悪いヶ所に錆びが発生し次第に浸食して拡大してゆく・・。このドアーヒンジは鍛造品であるが、摩耗のため交換する。

(13) 前側は、過去の修理歴などから、錆びが発生していた。今は、いろいろな防錆材がありますが、まずは錆を除去してからね。

(14) 車体には、こうして各部に多くの錆びや腐りを発生させていた。この車は長い時期、乾燥したカルフォルニアにあったのでまだ良かったかと思うけど、急な日本の湿気にやられたかな・・。貴重な4シーターの2,8リッターターボ。最終型なのでエンジンも他車とは違う、ラシャアジャスターの付いたヘッドロッカーアームタイプ。同じ年式でも欧州車には採用されていませんでした。