作業内容・・・つづき2です。

(15) 旧塗膜が悪かったことから、ほぼ全面の塗膜剥離となりました。 ウレタン2液反応のサフェーサーを塗装しました。塗装後、約4時間70度Cで焼き付けます。  マスキングの状態が判るかとおもいますが、弊社のマスキング&テーピングは他社の倍の量を使用しているかと思います。もちろん時間もね。 こうした下処理の良し・悪しが最終の塗装仕上げを決定つけますよ。

(16) 各コーナー部の古くなったシーリングをシリコンシール(塗装タイプ)で目止め(防水)します。 焼き付け後、600番〜800番と、水研ぎをいたしますが、真冬での手作業は辛い・・。ブルーメタリックを下吹き塗装いたします。

(17) 今回、塗装中に塗膜にトラブルが発生しました。 縮れ(リフティング)と言いますが、密着の悪かった旧塗膜がシンナーで浮き上がる現象です。 年輩の塗装屋さんなら何度か経験はあるかと思いますが、今回は下処理の悪かった古い塗装のミストがコーナー部に発生しました。 車体同様にサフェーサーを塗装しておけば良かったのですが、作業担当者(鈑金と塗装)の経験不足から見過ごしました。こうなると、剥離しかありません。 400番で研ぎ落とし後、再度のサフェーサー塗装と焼き付けの行程をたどります。 これで1日、日程が延びました・・・。


(18) 翌日、気を取り直して早朝より(朝の5時)出社したかと思います。 ブースのヒーター(遠赤外線)はタイマー作動なので、もう十分でしょう。 中研ぎをして午前中には、塗装を終了しました。

(19) 同時の塗装が難しいヶ所など、部分補修のように仕上げてゆく。 また、各別途のパーツも出来る限り分解して、塗装をより良く仕上げる。
   色調・質感・材料の選択など地道な作業が多気にわたります。 こうした付属のパーツも仕上げをおろそかにしてはいけませんよ。
   材質に合わせた下処理、塗装材を選択いたします。

 
(20) ブレーキマスターは、オーバーホールいたします。もちろんAssyでの交換がベストですが、高価なので使用頻度に応じてオーバーホールといたしました。 クラッチ・カバーと共に交換。 タービンもオーバーホール。エンジンマウント・インシュレーターはケチらず絶対交換。 ステアリング・リンケージもオーバーホールが完成して戻ってきました。 こちらもブッシュの交換をいたします。

(21) A/Tから5速に載せ換えるため、A/Tハーネスを加工する。 そう難しい作業ではないのですが、年式・タイプでいろいろなハーネスがあります。 0ツーセンサーも新品に交換しました。 左右のEXもクラックが入っているので交換しました。 タイヤ・ホイールもリビルトから届きました。 

(22) ようやく完成の画像となりました。 車検も復活してこうして見るとやはり’86年のZ31は独自のグラマラスなボディーですね。 まだ足回りのブッシュやサスダンパーの交換が残っていますが、内装も残っていますので当分は目が離せません。」

(23) 小さな画像ですが、細部の詳細をアップしてみました。 特に解説は必要ないかと思いますが、ドアーやフードのクリアランス、当時の純正の各コーションラベルなど技術だけではカバー出来ない経験や熟知が必要です。   ここまで熟読していただき、ありがとうございました。

PS: 2005年11月に開催された日産"Zフェスタ"(旧アルティメイト、Zフェスタ)にて、約100台以上の参加した
   歴代Zの中で、一般Zオーナー達による人気投票を選考、この1986年型・北米ターボ車が、人気投票
   第3位を獲得しました。全然想定外の出来事で、オーナーの鈴木さんら、私達も大変嬉しいサプライでした。
   Zオーナーの皆さん、ありがとうございました。
   ちなみに1位は、Z32チューニング470ph・stillen仕様のこちらでした。重ねて皆様にお礼申し上げます。