■修理車両・・・昭和63年.Z31.2シーター日本仕様ターボ・後期型
■作業内容・・・主な目的は、インジェクターの交換・カムカバーからのオイル漏れ
         水回りのホース交換・インテークパーツの再生を目的とした。
          
          その他、製廃となったnismo製・タワバーの新設。
          カムカバーは、北米仕様の塗装に変更しました。
(平成26年07月整備)

         数年前に当社で全塗装を施工しています。雑誌でも紹介されていますので
         再度、後半でご紹介させてください。


         
☆ 先に、完成写真を公開いたしました。

やや多期間に渡りの作業となりましたので、シリーズを分割して
レポートいたします。 Z31は、オーナーさまが減少しています、貴重な車両も
多くあり、記録や進行を今後も掲載して、ご紹介したいと思います。

(1) インジェクターの交換が主な目的となった為、まずはインテーク
   ホルダーを外します。 このインジェクターは、V型エンジン6気筒
   ・シングルカムとして、登場しました。 のちに続く、名機VGツインカム
  エンジンの基礎となった、貴重な初代エンジンですね。
(2) インジェクター・ホルダー部で、中央
   に位置する、重要な部分です。
   素材はアルミ鋳物です。

(3)このインジェクターは、初期の頃から漏れが発生していました。 また、このインジェクターの方式が後期から改善
  改良されましたが、それは北米仕様のみで、日本仕様や欧州仕様では、されていません。
  ここでは、時間の制約があるので、ご紹介できませんが、機会を見てご紹介いたします。
  インジェクターのマテリアル(素材)や、耐久性は改善されていると思いますが、現在1本の価格は、約13000円です。
 

(4) なるべく多くの画像を紹介いたします。 ご紹介の機会が減っている機種なので
   角度を変えて見た画像を残して起きます。 フェール・パイプラインから、高圧・
   耐油性のホース(高価な純正品)を採用しています。
(5) ガソリン漏れの部位です。
 6本中、3本の漏れを確認しました。
 かすかにエンジンルームからガソリン
 の臭いが確認されていました。

(6) ガソリンの漏れが確認出来ている、3本のうち2本の画像と思われます。 こうした作業には、それぞれの担当
  により、2名〜3名のスタッフが専門分野で分かれ、施工をいたします。 つまり、この後インジェクターの交換
  をするのですが、インテークホルダーの洗浄・化粧塗装があるので、部門を分け別作業をいたします。

(7)画像の解説には、担当者のカメラや撮影時期などが異なりが、解説のために整理しながら進めています。
 一部、順序不同になるかとも思いますが、ご容赦ください。 画像はカムカバーを外した状態です。

(8) とても良い手入れをされているようで、カムの内部はとても綺麗ですね。
  カムカバーは、洗浄され、劣化したカバーパッキンを交換いたします。 画像でパッキンを交換していますが、
  この画像では、カムカバーは新化粧塗装をされた物です。 解説の進行上、こうなりました。 ご容赦ください。
  それでは、続けて塗装の工程をご紹介いたします。

(9) カムカバーは、洗浄・脱脂してから、塗装の担当者が施工をいたします。 当時、日本車には3リッターのターボ車
  と、2リッターのターボ車(RBエンジンを除く)ですが、それぞれV6エンジンです。 しかし、北米・欧州仕様には、
  V6ターボとNAノンターボの、2種類が有りました。 それらのエンジンは、このカムカバーの塗装色が違います。
  日本仕様は、全年式カムカバーは、赤い結晶塗装がされていました。 北米仕様も前期型は同じですが、後期
  仕様は、光沢の有る赤い塗装が施工されていました、北米仕様のNA車は、グレイ色の標準塗装です。

  ここでは、光沢のある北米仕様の塗装をいたしました。 汚れなど付着がしにくく、手入れのし易い方を選びました。


(10) ここでは、インテーク・マニホールドや、インジェクターのホルダーなど、アルミ鋳造の製品は汚れが付着しやすい
   ので、アルミ素材の風味を生かし、着色塗装してから高性能クリアー塗装をいたします。 劣化も防止いたします。

   パイプ類などは、旧車(S30系など)亜鉛メッキ加工も可能ですが、大量でなければ、塗装でも十分耐久します。

(11) 写っているビス類は、カムカバーの固定と、オイル漏れを防ぐ圧力ダンパーとも成ります。 古いビスでも使用
  は可能ですが、黒く写っているゴムブッシュは重要な役目をはたしていますので、必ず交換いたします。
  こうしたゴムブッシュは、耐久性の高いウレタン製に替わりつつあり、Z32などで採用されています。

(12) ようやくインジェクターのホルダーに、新しいインジェクターを装着いたします。 細かいパーツが多く有りますが
   重要な役目をしているパーツが存在しますから、必ず新品を調達して交換してください。 

(13)インジェクターを構成している、パーツ類です。 ガソリンの漏れを防ぐ目的だけでは無く、インジェクターの
  発生するノイズの消音や、適度なダンパーなどの役目もこれらのブッシュが果たしていますよ。
  ここには記載いたしませんが、北米仕様のZ31・後期インジェクターのホルダーは、方式が違います。
  初期型の漏れは、無償交換されていました(米国内だけで今で言う、リコールでしょうか)。

(14)左上の画像は、燃料の残圧を調整するプレッシャーレギュレターです。
  重要な役目を果たしています。 右上の金色のパーツはラジエターCAP
  に相当いたします。 新品はいい色をしていますね。
(15)インテークのガスケットです。
  すべてのガスケット類はほぼ
  再使用は不可能です。

(16)ようやく、インテーク・インジェクターのホルダー部の装着をいたします。 洗浄・化粧塗装を施したアルミ部
  は、他のパーツ類と共にオリジナルよりも美しく再生いたしました。 耐久性も向上いたします。

(17)エアーを流入し分配する、インテークマニホールドを装着いたします。 ここにはスロットルバルブやターボ
  の加圧を調整するリリーフバルブなど、重要な補記類も装備いたします。 リリーフバルブなどは、欧州仕様
  とは仕様が異なります。 タービンのAR比も欧州仕様は、高性能なセッティングになっていました。
  シングルタービンですが、ここへの加給パイプの装着が、結構手強い作業です、姿勢が辛いので・・。

PART2、完成いたしました。

Z31 Repair