修理車両・・・平成元年.Z32.2シーター.Tルーフ.NA.パール・ホワイト色車.A/T
作業内容・・・オーバーホール.スティレンSM−Zの製作。

(15) Rrゲート・ヒンジ部分やフード裏側などは初めに塗装しておく。Rrゲートは別塗装したいのだが特色で透明度を生かした塗装の為色調が合わせずらいので一体塗装を選んだ。4コートの塗装の為その透明感は格段のものがある。(ブルーメタリックとは一線をしいている)

(16) 各パーツの分解・塗装。シール、モール、小さなクリップ、ビスにいたるまで交換を必要とするパーツは全て日産純正部品にて組み替える。Tルーフ・ハッチそのものが水漏れの原因となっている事は以外と多い。それはZ31系でも確認されている。必ずしもウェザーストリップとは限らない。

(17) 大型バンパーやスティレン社などのエアロ・パーツは専用の作業台(ジグ)を製作し作業性や塗装の精度を上げている。ターボ用の中古バンパーをSM-Zのカタログと同じく流入孔を開けた。こうした特殊な作業や加工を好んで正確に仕上げてゆく所が弊社の良い所だと時々評価を受ける。(手前ミソ)

(18) ガラスの脱着作業は専門の技術と多くの経験を要する為、外注の専門業者の作業となる。両サイドガラスはZ32の場合、基本的に交換となる。保険修理でも必ず交換する。Z31系の両サイドガラスは軟質ブチルテープの為、多くの水漏れを発生している。

(19) フロント・フェンダーやリア・バンパーのダクト部はブラック・マット仕上げに別途仕上げる。ここに撮影はしてないがドアインナーハンドルの白色化(劣化)やリアスポイラー取付け穴の12φ〜16φのハンダ(丸鉄板併用)埋めなど多くの小作業をこなしている。

(20) ダッシュ・ボードの交換。デフロスター部の剥れがひどかったのと変形化の為中古新品(H4の新車より外し部品)と交換した。デフロスター部の剥れは一時的には修理可能であるが又同じ様になってしまう。ダッシュカバー(米国では一般的)の取付けなど耐熱射対策が必要であろう。

(21) 今回オーナーの希望からHKS製2シーター用デュアルマフラーを探した。国内向けが生産廃止となっていた為、他の生廃製品と共に米国HKSより輸入した。以前は米国内での販売価格の方が安い時期もあったが現在はほぼ同じ。ホイールやタイヤなども同様の事があったが現在国内の販売低迷と共に同価格に近づいている。

(22) 少しづつ完成されてゆくエンジン・ルーム。大型のメッキ・パーツは初めに組立て小パーツは順次クローム・メッキ加工してゆく。こうしたドレスアップは米国では日常的楽しみとして定着・周知されているが日本ではまだまだ受け入れられていない。米国の人達とて高価なクローム・メッキは週末に2〜3個外してメッキSHOPに持ち込み4〜5日で出来あがったパーツを楽しみに受け取りに行っている。こうゆう小さな楽しみがCARライフを長く楽しんでゆく一つでもあると思う。

(23) スロットル・カバーへのエアーブラシペイント。パソコンで作ったオリジナルスティレンシール。エアクリーナーカバーやホイルセンターキャップにも自分なりの個性を作り出している。NAのエンジンはまったくのノーマルであるが、こうして誰のものでもない自分を演出してくれるGTZを完成させてゆくオーナーの力になれた事を私は嬉しく思っている。

(24) カーボン・ステレオパネルやドア・トリムカーボン、特注各メーターに又カーボン調のプリントメーターパネルとオーナーの力の入れ様に時々振り回された。こんなわがままな注文も時として私は微笑ましく思っている。

(25) 完成したGTZを別のチューニングZ32と2台並べてみた。それぞれ違った運命をたどった2台の平成元年・Z32。個性の違ったオーナーとかたっているのも今日の仕事を終えた我々の喜びでもある。こうして私達にチャンスや機会を与えてくれたオーナー達にこの場を借りて御礼を申し上げたい。